12.13 , 12.15
恐山に行ってきた。
大好きな舞踏家の方が客演されている演劇だ。
原作は寺山修司。映画の為の戯曲をどう舞台化するか楽しみだった。
映画はずいぶん昔に見たきりだけど。
舞踏家は恐山の山神となって現れた。
客席では毒に犯されないよう誰もが息を飲んだ。
息を止めても無駄なのだよ。
それは毛穴から粘膜から侵入してくるのだから。
目を閉じても無駄なのだよ。
それはびっちりとした網膜に絡み付くのだから。
息が止まり身震いするほどに美しいその舞踏は、太陽の中の黒点のようだった。
★★★★★
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舞踏家 点滅 氏
劇団☆A・P・B-Tokyo
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2008-12-17
田園に死す
2008-12-01
地獄のババぬき
エクスクロスのコンビがまたも事件に。
バスジャックと新興宗教、ババ抜き。
新興宗教部分は作家の知識不足かうっす~い内容だった。
ちょっと散漫かな。
疲れた頭の休憩程度で読むなら良いかも。
★★☆☆☆
2008-11-29
2008-11-23
XXゼロ 呪催眠カーズ
『そのケータイはXXで』
のスピンオフ小説。
ケータイXXに登場するある女が主人公。@神戸
昔同じようなルートを車で回ったことがあったので、馴染みやすかった。
3時間かけて一気に読みきれたけど、ケータイXXに比べて文章が少し上手くなった分、リアル感や疾走感が薄れた感じ。
ケータイXX読んだあとの暇潰しなら良いかな。
★★☆☆☆
そのケータイはXX(エクスクロス)で
例えるなら高速テクノ。
主人公同様何が何だか分からないうちに終焉へ。
息つく間もない展開は一気に読みきってしまわないともったいない。
通勤・通学時とかじゃなくてベッドで一気に読んだらいいと思う。
★★★★☆
2008-11-22
2008-10-10
『時のなかの時-とき』山海塾
『とき』は2年半ぶり、4回目。
ゲームショウで疲れた体を引き摺って三茶へ。
山海塾の何が好きかと言うと、舞踏はもちろん腰砕けなんだけど、舞台と客席の距離感。
一体にはならないよ。
客を寄せ付けない壁がある。
彼らの掻き回す空気は充分に感じるけど、共感したりとか入り込んだりはできないんだよな。(私だけなのか?)
常に緊張感があって、客の咳や紙のこすれる音にもイラッとする。
邪魔すんな。
それまで突き放されていた距離が最後の挨拶で一気になくなる。
鳴り止まない拍手に本気で感謝の気持ちを何度も体と表情で表現する天児氏。
もちろん言葉なんて言わない。
大袈裟な動きはしない。ものすごく静かで優雅で素敵なんだ。
毎回最後に胸を押し潰されて涙出る。
本気の挨拶って山海塾でしか感じたことない。
蝉丸氏のバイバイの動きもたまらなく好き。
『とき』の中では天児氏の2回目のソロ舞踏がとても好き。
ソロに入る前の集団舞踏も好き。
最後の集団舞踏も好き。
って全部好きじゃないか。
『ゆらぎ』と『ひよめき』もまた見たいな。
新作が見れなくて本当に残念だった。
3月に芸術劇場で一番好きな演目『金柑少年』があるらしい。
良い席取れるといいんだけど。
★★★★★
2008-10-05
二重心臓
二重心臓+三柴理ミニライブに行ってきた。@群馬県館林
チケット2枚買ったけど、結局連絡入れずにひとりで。
ライブ2回見ようと思ってたのに、寝坊。
ちっきしょお。
電車の時間ギリになっちゃって、幡ヶ谷で銀行寄っていけなかった。
財布に2000円(交通費分)しかない。
銀行がない!コンビニも!人がひとりも歩いていない!@館林駅周辺
初めて「銀行はどこですか?」
と人というか酒屋に聞いた。
酒屋から10分くらいかかったね、銀行まで。
途中ブレスレットどっかに落とした。高かったのに!
で、会場。
地図には駅から3分て書いてあったんだけど、徒歩じゃなくて車か?
20分近くかかったよ。
そんな遠いならテクシー使えば良かった。
で、クラヴィアホールね。
なんか70席くらいかな、すげ狭いの。
ピアノから2mしかないの。
客10人くらいしかいないの。
エディかぶりつきで見れる!
ワクワクしながら指先をちょい斜めから拝める2列目に。(1列目はひとりだけ
演奏前に監督と小粋なトーク。
筋少の頃、やんちゃな風体だったが為にビーバップの映画オーディションに行かされて、的場に胸座を掴まれたそうだ。
「ぼ、僕はピアノが好きなだけです。」
それ以来映画出演は断っていたのだって。
今回はピアニスト役というか、ピアノを弾くだけだから出演したそうだよ。
演奏はね、もう神々しかったわ。
とても柔らかいな。
フワフワだった。
しびれた。
寝坊を激しく悔やんだ。
映画は、資金不足な感じで惜しかったなあ。
途中ちょっと寝ちゃったよ。
もっと作りこんでくれたら名作な予感。
あれは舞台の方が良いんじゃないか。
舞台シーンがとても良くって(エディのピアノも素敵だった)誰が演出したのかなって、思ったらスタッフロールで演出:松田洋治さまの名が。
ふふ~ん。
舞台でやってくれないかな。
演出は松田さまで
2008-08-09
ざくろの色
・・・記録用
圧倒的な映像美。
静かな動く絵画。
これ見た後にCGとか見れないよ。
一番好きな映画。これだけはお墓に入れてほしい。
下記サイトにダイジェストあり
The Color of Pomegranates (1968)
★★★★★
2008-08-08
2008-04-09
ブルータワー
期待しないで購入。
SFは滅多に読まないし。
末期ガン患者の意識だけが200年後の未来へ飛ぶ。
現在と未来のつながり。(ここはちょっとチャチかった)
穿った目で前半は読み飛ばしたけど、中盤からグングン持ってかれた。
生への諦めと執着の矛盾。
矛盾に満ちた未来。
セノは未来を救えるのか。
AIに胸打たれた。
人間にもちょっと胸打たれた。
読み飛ばした分を読み直すべく、また読み始めた。
期待を裏切って今年読んだ中では2番手に躍り出た一冊。
SFって便利なジャンルだね★
★★★★★
2008-03-24
悪夢のエレベーター
読書、してるんだけどね。
時間の掛かるのばっかで読破できない。
4冊同時読み。
これは昼久々に一人飯の時に買った一冊。
所謂、暇潰しってやつ。
暇潰しに相応しい一冊。
中身がなくてつまんないけど一気に読めた。
☆☆☆☆☆
2008-02-07
在日
政治にはとんと疎い私だけど、朝生は昔からたまに見ている。
姜さんが出ている時だ。
姜さんの事は5行程度のプロフィール位しか知らなかったけど、顔真っ赤にして汚いツバを飛ばし人の話を聞く事の出来ない日本の政治家と比べると、理路整然としていて感情的にあまりならないその姿勢が好きだったから。(佇まいも声もとても好きだ)
北朝鮮問題や戦争問題の会に出ているんだけど、大体姜さんがやり玉に上げられる。
日本全体が北朝鮮バッシングで武力行使を求める中、対話での解決を孤独にとうとうと説いていたからだ。
この姿勢はどこから来るんだろう。
って思ってたけど、この本を読んでたくさんの事を初めて知った。
バスの中で何度も胸が詰まったな。
そして読むのにとても時間が掛かった。
知らないことを調べながら読んでいったからだ。
もう、大人なんだし、ニュースだけじゃなくてちゃんと本を読まないとな、と感じる事ができた一冊。
多角的に見ないとダメだけど。
★★★★☆
2008-01-29
グラスホッパー
鈴木、蝉、鯨、槿(ムクゲと書いてアサガオ)
伊坂幸太郎は安定して読めるな。
今までと違ってなんか男臭い。
違った手法の殺し屋家業の物語が非合法な企業と鈴木を接点に交わる。
相変わらずの冷静な描写力とトリッキーな文章。
一気に読める一冊。
★★★★☆
2008-01-28
チョコレートゲーム
『果てしなき渇き』に続き学生と父親物。
80年代って事で、ちょっとパンチが足りない。
絶えず父親目線で父親の心理は細かく書かれてたけど、子供の心理描写が欲しかったなぁ。
執筆された当時に読んでたらもっと響いたはず。
果てしなき~がスピード感あり過ぎてこの手の本(子供社会の裏)はしばらくお預けかな。
★☆☆☆☆
2008-01-24
凶犯
帯に惹かれ購入。
中国の現代作家物は亡命した人達の文革関係しか読んでなかったからね。
やっぱり社会主義系の国って昔話ばっかだし、中国の古典的なの(三国志とか)は興味なかったから私の中では珍しいジャンル。
まだまだ中国も言論とか芸術表現の自由(海外に向けての)は寂しい感じがしてたけど、実際起こった事件をモチーフとしたこの本は違った。
これが発禁にならかったのが奇跡。
それだけ人民の共感を得てるからかな。
生の中国。
文革の名残が色濃く残る地方政治と末端までの関係や不正で傲慢・怠惰になってしまった農民たち。
不正や汚職が横行して黙認される山村に、森林保護員として赴任した義足の退役軍人。
事件が起きるまでの主人公と事件後の公の立ち振る舞いが同時進行して、交互に読み解いていくことで事件や中国の闇が徐々に暴かれていく。
ラストシーンは少し涙が出た。
もうすぐ北京五輪だよね、どこの国にも公人の不正や汚職はあるけれど、過去の歴史が物語る国民性は変えられない。
大丈夫か、中国。
★★★★★